極み見聞録

【茶寮つぼ市製茶本舗 Vol.3】お茶の風味を最大限に引き出す火入れ師こだわりの技

お茶を製品にする仕上げ工程のひとつに、焙煎・乾燥があります。これは、単にお茶を乾燥させるためだけではなく、品質保持と香味を引き出す役割ももちます。つぼ市では、お茶の焙煎・乾燥を行う「火入れ師」が活躍しており、温度や湿度、天候など日々変化する環境のもと、適切な火入れを行っています。職人たちの経験と技がつぼ市の味を作り上げています。

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茶葉の保管と仕上げにも独自の工夫を

つぼ市では、鮮度を保つため、茶葉の摘採後すぐに冷凍庫で保管しています。そして、必要な時に必要な量を仕上げ、新鮮でおいしいお茶の提供に努めています。また、玉露、煎茶、抹茶といった特別なお茶は、約100年の歴史がある土蔵で熟成。温度や湿度を管理し、寝かせることで風味豊かな熟成茶をお届けしています。

お茶を製品に仕上げる工程には、茶葉の香りや味わいを引き出す「焙煎(火入れ)」という重要な作業があります。お茶の焙煎方法には、「先火仕上げ」と「後火仕上げ」の2通りがあります。茎や粉などを含んだまま焙煎・乾燥させて、後から余分なものを取り除き、お茶の形を整えていくのが「先火仕上げ」と呼ばれる方法。一般的には、こちらの「先火仕上げ」が多く採用されています。ただし、この方法では、手間がかからないため火入れにかかる時間が抑えられますが、一度にすべての部位を焙煎・乾燥させるため、茶葉の特徴に合わせて、繊細な調整できず、お茶本来の持ち味を最大限に引き出すことが難しくなります。

後火仕上げで風味や香りを引き出す

つぼ市が茶葉の焙煎・乾燥に採用しているのは、「後火仕上げ」。私たちは、火入れを行う前にまず茶葉を工場でふるいにかけ、余分な茎や粉を取り除いて、お茶の形を整えます。特別なお茶は、センサーで色を識別する機械を通して、さらに念入りに上質な茶葉だけを抽出していきます。そして、茶葉の部位や特徴に応じた温度、タイミングで火入れを行い、風味や香りなどお茶の持ち味を最大限に引き出しています。

「後火仕上げ」を採用することで、部位や茶葉ごとに最適な火入れが可能となります。手間はかかりますが、よりお茶の持ち味を引き出して深みのある味わいに仕上げることができます。一方で、「後火仕上げ」は、季節や天候、お茶の種類などを見極めながら、最適な温度と時間をその都度調整する必要があり、火入れ師の熟練した技術が求められます。

火入れ師の職人技がつぼ市の味を支える

火入れの温度や時間を調整するうえで頼りとなるのは、経験を積んだ火入れ師の感覚。少しでも調整を間違えれば、お茶の香りや味、品質が変わってしまう繊細な作業で、「火入れ師として一人前になるには10年かかる」ともいわれます。つぼ市には現在1名の火入れ師が活躍しており、彼らの経験と技術がつぼ市の味を支えています。

また、職人の目利きや腕に頼るだけではなく、工場での品質管理体制も徹底しています。つぼ市は、本社工場と第二工場の2ヶ所の工場を有し、大型生産設備での仕上げ、袋詰めまで一貫して自社で加工を行っています。業界トップクラスの最新設備が整う工場では、厳格な衛生管理・作業マニュアルを設けられ、日々従業員一人ひとりがプロ意識をもって品質を追求しています。仕入れから仕上げまで、一貫生産体制を整えることで、美味しいお茶をお求めやすい価格でお客様へ提供することができます。

今後も私たちは、日常のあらゆるシーンで、人と人をつなぐ架け橋として、“本物”のお茶づくりにこだわり続けていきます。

店舗詳細

5F

茶寮つぼ市製茶本舗

営業時間
[物販]10:00~21:00
[カフェ]10:00~L.O.20:00(閉店21:00)
[テイクアウト]10:00~L.O.20:00(閉店21:00)
TEL
06-6645-1850