極み見聞録

【金子眼鏡店 Vol.1】眼鏡の街・鯖江で、職人技術の粋を集めたモノづくり

  • レポート
  • 愛用品
共有

農作地だった鯖江が、世界有数の”眼鏡の街”となるまで

豊かな緑と清流に恵まれた福井県鯖江市は、世界でも有数の眼鏡産地として知られています。鯖江の眼鏡産業はいわゆる“産地内分業”が主流で、各工程・各パーツを小さな工場がそれぞれ請け負いながら、街全体でひとつの大きな工場のように眼鏡を作ってきました。日本製の眼鏡フレームの9割以上が鯖江を中心とした福井県で生産され、鯖江ではいまでも、住人の5人に1人が何らかのかたちで眼鏡産業に関わっているというから驚きです。

鯖江が眼鏡の街と呼ばれるようになった転機は、1905年。越前塗りといった伝統工芸はあるものの、農業が主力産業だった頃に遡ります。当時の村役が未来の暮らしをより良くするための手段として、農業の閑散期となる冬場の眼鏡づくりに目をつけたのです。大阪から招いた職人から村の男性陣が眼鏡づくりを習い、家族総出で、一から技術を習得していきました。鯖江の眼鏡産業が産地内分業となったのも、この歴史に由来しています。

産地内分業から一貫生産へとシフトした、金子眼鏡の挑戦

ところが近年では安価な量産品の需要が増え、鯖江の各工場は、海外製品流入による低価格化や、職人の後継者不足などの危機に直面しています。さらに分業制であったために、各工程でその都度遅れが出るようになってきたのです。工場としては大量受注品の作業を優先することとなるため、一つひとつ丁寧な眼鏡づくりをめざしていては、安定した供給が難しい…。さらに消耗品としての眼鏡は価格が低く、工場自体も数を減らし続けていました。その現場を打開しようと取り組みはじめたのが、金子眼鏡だったのです。

金子眼鏡では各技術を一つひとつ増やしていき、2009年には一貫生産で眼鏡づくりができる環境を整えました。工房の名前は「BACKSTAGE」。華やかな店頭を支える土台、一見すると地味だけれど、細やかで妥協のない職人技術の集まりを表しているのだといいます。

また、一貫生産をすることで問題点のフィードバックができ、技術の向上にも繋がりました。さらに職人たちにとっては、自分の担当する工程がどんなカタチとなるのか目の当たりにできることでモチベーションも高まり、より良い品質を自然とめざせる環境となったのです。

職人のこだわりが光る”長年愛用していただくための美しい眼鏡”

職人が“パーツづくり”ではなく“モノづくり”の魅力を感じられる環境で、品質へのこだわりが高まっていった金子眼鏡。職人たちはどの工程もひと通りマスターしているそうで、デザイナーであっても、簡単なものであれば自分の手で眼鏡を仕立てられるのだといいます。どの社員にも共通している想いは「パーソナルウェアとしての眼鏡づくり」。ファストファッションの台頭で眼鏡も気軽に着替える時代にはなりましたが、顔の一部となる眼鏡だからこそ、快適な使用感と長年愛用できるデザインにこだわりをもっているのです。もちろん、視力矯正器具として、購入後のメンテナンスや調整も丁寧に対応してくださいます。

ファッションに合わせて日替わりのように眼鏡を変えるのもお洒落ですが、日々のパートナーとも言えるような、ずっと大切に使い続けたい眼鏡があるというのは、大人ならではの格好よさではないでしょうか。また、手仕事で磨き上げた艶が美しく、洗練された金子眼鏡のデザインからは、時代や流行に左右されない芯の強さ・美しささえ感じられます。次の記事では、詳しい技術とデザインについてをご紹介する予定です。金子眼鏡の美しさと格好よさの秘密を、ぜひ知っていただけたらと思います。

店舗詳細

2F

金子眼鏡店

営業時間
10:00~21:00
TEL
06-6710-9136